陸上100mの練習メニューやレースのコツをご紹介

陸上競技の花形でもある100m走は単純に見えて繊細な技術や才能、そして追い風などの運要素も含む難しい競技です。今回はそんな100m走についてどのようなトレーニングを行えば記録の向上が狙えるのかを一通りご紹介させていただければと思います。

まだ陸上競技を始めたばかりという人はもちろん、長年陸上競技を行っている人でも何かしら役に立つ項目があれば幸いです。

では陸上競技の花形100m走について細かく見ていきましょう。

陸上競技短距離100mの走り方と練習メニューを解説

陸上競技界の100mと言えば圧倒的な世界記録保持者でもあるウサイン・ボルト選手が思い浮かぶのではないでしょうか。そんなウサイン・ボルト選手も2017年の世界陸上を最後に引退したことで後継者が出てくるのかなど世間では騒がれております。

そしてここ最近では日本人のレベルも急激に上昇しており、2020年の東京オリンピックへの意識も高まっているのがうかがえるでしょう。

2017年9月には日本人初となる9秒台で9秒98の日本記録(当時)を桐生祥秀 選手が出してくれたことで一躍注目されている100mですね。
※2019年にサニブラウン選手が日本人2人目となる9秒台そして9秒97の日本新記録をマーク、また2021年には山縣亮太選手が9秒95とさらに日本記録を塗り替えたことで日本の短距離界が大いに盛り上がっています。

その日本人選手のレース展開や走り方を元に解説していきたいと思います。
まず2020年現在、日本人の中で5名注目選手をピックアップさせていただきました。

・サニブラウンアブデルハキーム 選手
・桐生祥秀 選手
・小池祐貴 選手
・多田修平 選手
・山縣亮太 選手

こちらの5名の選手を、元に走り方のパターン等を解説していきたいと思います。

 

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100m走のレース展開と走り方

陸上11秒台

まずはスタートの速い多田選手山縣選手の走り方ですが、スタート直後も低い姿勢で少しずつ中盤に向けて加速して行くことにより無駄な抵抗を抑えられます。山縣選手は、スタートした瞬間に目の前に落ちているゴミを拾うような感覚でスタートを切っているそうです。

また、陸上競技部に入りたての人や初心者の人はどうしても力任せにスタートを切ってしまい、すぐに顔を上げて走ってしまいがちです。(私も陸上競技を始めた当初はすぐに起き上がってしまっていました。)

そこをグッと我慢することによってスムーズなスタートを切ることができ、うまく加速に乗ることもできるのです。その結果自然と体が起き上がりゴールまでスピードに乗って走りきることができますので慣れない最初のうちは意識してレースに臨むと良いかもしれません!

 

続いて中盤の走り方ですが、こちらは日本人初の9秒台をマークした桐生祥秀選手が非常に得意としている中間疾走でスピードに乗った桐生選手は世界のトップクラスの選手達と並んでも戦える程良い走り方をしているといえるでしょう。

30m〜70m地点ではどんな選手でも最もスピードに乗っている地点と言えますのでいかにここの区間でスピードに乗れるかが重要となってきます。桐生祥秀の走り方を見ると膝が上手く上がっており、腕の振りもスタート直後と比べると大きくなっていることがわかります。

つまり中盤疾走では膝を上げてストライドを伸ばすことにより自然と腕の振りも付いてくると思いますので競り合って硬くなってしまわないように大きな動きを心がけると良いでしょう。

 

最後は70m〜100mの後半、ゴールまでですがこちらはサニブラウン選手、小池祐貴選手が非常に得意としており、両選手に共通している事は200mにとても強いという事です。先ほどご紹介したストライドを大きくして膝を上げるという走り方を身につければ自然とトップスピードをあまり落とさずにゴールまで駆け抜けることができます。

よって200mが強い選手の方が前半のスピードをあまり落とさずにゴールできるので、スタートが得意な選手が先行していたとしても後半で捲り上げる事が可能となるのです。

ですが小池祐貴選手の場合はストライドが狭い代わりにとてつもなく速いピッチで足を回転させ、通常100mのトップ選手であれば100mを47歩ほどで走る所を小池選手は51歩程度と平均よりも4歩も歩数が多いながらも足の回転数の速さで9秒台の記録を出しているのです。

以上の事をまとめさせていただくと

スタートはすぐ顔を上げずに我慢する。

中盤から後半にかけては膝をしっかりと上げ大きな動きをイメージする。

競り合った時に硬くならず顎が上がらないようにする。

陸上短距離走における基礎から応用まで全般的に解説しているページもご用意させていただきましたので気になる方はこちらから参考にしてみてはいかがでしょうか。普段あまり行っていないようなトレーニング方法まで詳しく解説させていただいています。

陸上ニュースで学ぶ陸上競技短距離種目の基礎から応用へ

100mの練習メニュー例

シーズン中

・150m×3本、100m×3本 レスト各次の距離ウォーク

・(150m+120m+100m+80m+60m)×3set レスト10分

・(100m+100m+100m+100m)×3set 1本目〜4本目にかけて徐々にタイムを上げていく

上記のメニューはシーズン中の一例です。
量よりも質にこだわっているメニューなのでレスト時間も長めにとって本数も少なめにしてあります。

なので1セット終わるごとに自分の限界まで力を使いきれていなければあまり効果のないメニューとなってしまいますのでご注意ください。

オフシーズン(冬季練習)

・(200m+180m+150m+120m+100m)×3set レスト8分 間次の距離ウォーク

・300m×5 レスト10分

・(300m+200m+100m)×3 レスト10分 間次の距離ウォーク

こちらも一例を挙げさせていただきました。
冬季練習だとシーズン中になかったような300mなど長い距離を入れることもオススメです。

長い距離を入れる事によって後半の失速を抑えられたりという効果があるので週に1度は長めの距離を取り入れると良いでしょう。

また、冬季練習について細かく述べている記事もございますのでこちらを参考にしてみてください。

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100m走で勝つためにサプリメントやプロテインを有効活用しよう

短距離走で最も重要ともいわれる瞬発力の能力を上げるためには脚の筋力が必要となってきます。その脚力を増加させるためにサプリメントやプロテインなどを利用すると脚力増加の手助けをしてくれますのでタイムをより伸ばしたい方は適量摂取することをお勧めしております。

まずは瞬発力を爆発的に上げてくれるクレアチンというサプリメント。クレアチンを使うことによって瞬発力をあげることができるので合わせている大事な試合がある場合がぜひ飲んでみるといいでしょう。

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大事な試合を控えている短距離選手にとっては必需品となる方もいらっしゃるでしょう。

詳しくまとめた記事もございますのでぜひご参照ください。

大会前にクレアチンを飲むとパフォーマンス急上昇!?飲み方や陸上短距離に有効なタイミングをご紹介!
皆さんはクレアチンという陸上競技の短距離走に効果的だと言われているサプリメントをご存じでしょうか。一般的な人にはあまり聞き馴染みのないサプリメントですがスポーツ選手などではよく活用しているという人は多いようです。 今回は一般的にはそこ...

続いて継続的に筋力アップと維持をしてくれるプロテインについてです。

こちらもクレアチン同様に瞬発力に特化したものも販売されており、今回おすすめさせていただきたいのがSAVASの「タイプ1ストレングス ホエイプロテイン」です。

こちらのプロテインはパッケージにも記載されている通り瞬発力を必要としたアスリートを手助けしてくれるものとなっており、おすすめに陸上競技の短距離走とも記載されているのでどのプロテインを飲んでいいかわからないという方はこちらのプロテインから飲み始めてみるのがいいかと思います!

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アマゾンのリンクを貼っておきましたのでプロテインの購入を考えている方は是非ご覧ください。

100m走において初心者や中学生、高校生から多くある質問

続いては陸上競技の100mを中心に取り組んでいる人から多く寄せられる質問についてよくあるものをご紹介させていただきます。

Q.どんなスパイクを履いたら良いのでしょうか?(ピンの長さ等)

A.個人的な意見になってしまいますが、自分の普段履いているスニーカーなどより0.5cm小さいものを選び、足にぴったしはまっている方が密着感があって走りやすいと思います。

また、100mで、あれば9mmの三段ピンを使用するのが良いかと思われます。

しかし筋力に自信のない方や走りにくいと感じた方、また400mも兼任している方などは8mmのものにするなどでも良いです。

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上記アマゾンのリンクを張っておきましたのでピンを新たに購入したい方や今お使いのピンが古くなってしまっているという方は是非ご利用ください。

スパイクのピンについてはこちらでも詳しくご説明していますのでどの長さが最適かを知りたいという方は是非ご覧ください。

三段ピンと二段ピン・並行ピンの違いや長さによるメリットとは?
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短距離選手にとってスパイクのピンはとても重要なメンテポイントとなりますので細かく確認しておくっことが需要です。

Q.どのような練習が一番効果的ですか?

A.こちらも個人的な意見が多めになってしまいますが、100mであれば筋力が多くあった方が有利です。

ダイエットなどをして体重を軽くして。と考える人も多いと思いますが、実際には筋力をつけて体重を重くした方が地面を踏み切る力が強くなるので早く走れる傾向にあります。

ウエイトトレーニングの方法なども年代別にご紹介していますので参考にしていただければと思います。

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Q.追い風や向かい風はどのくらい影響しますか?

A.こちらは実際の環境等もあると思いますが、はっきりとした数字は出ておりません。

しかし中高生など部活で競技をしているくらいであればそこまで難しく考えなくても良いかと思います。

だいたいですが、+2.0mであった場合0.0mの時に対して-0.2秒程度と考えてもらえれば良いです。

逆に-2.0mの時は0.0mの時に対して+0.2秒くらいの認識です。

例0.0mで11″43の人の場合

+2.0m=11″23

-2.0m=11″63

この程度に覚えていただければ妥当かと思いますが実際にはタイムや環境によって変化がありますので大体の数値として認識していただければと思います。

100m走で伸び悩んでしまった時の練習方

なかなかタイムが思うように伸びず、行き詰まってしまった。などという場合は、ざっくりとメニューを変更してみるということも良いです。
このような時には一定期間ウエイトトレーニングで普段鍛えない部分のトレーニングを行って見たりすると直ぐに成果は現れませんが徐々に乗り悩みが解消される事があります。

また、体幹トレーニング体の軸を安定させ、ブレをなくすことでスムーズに足を運ばせることができるので是非気になった方は参考にしてみて下さい。

100m走のここだけは押さえておきたいポイント

そして試合が近い人に必ず目を通してもらいたいのがこちらのウォーミングアップの方法

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実際に行ってみて効果があったと思うものを取り上げていますので試合前のみならず普段の練習の際にも活用できるものです。

100mの日本記録の移り変わり

余談ではありますが、2017年に日本人初の9秒台が出たことで話題になっていますが、こちらに今までの過去50年間の日本記録が更新された年や当時のタイムなどをまとめてみましたので興味のある方はぜひご覧ください!

陸上100m走の日本記録の歴史を解説
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短距離走100mの練習メニューやトレーニング法まとめ

以上100mについてご紹介させていただきました。100mで急に話題沸騰になっている多田選手ですが、高校時代は2014年の山梨インターハイで100m6位との成績が残っています。

高校時代に同年代や下の学年の選手に勝てなかったなどあまり目立っていない選手でも伸び次第でここまでくることができるのはこの競技の面白いところです!

また更新事項等があれば随時更新させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。みなさんの疑問点を少しでも解決できたらとも思います。少しでも参考にしていただければと思います。