今回は短距離選手におけるベンチプレスの効果を実体験を元に解説していきたいと思います。以前【ウエイトトレーニング】のベンチプレスの欄に書かせていただいたものと少し重複する所がございますがご了承下さい。
まずは陸上競技の短距離種目と聞いた時に「上半身の筋肉は要らないでしょ」
と思われる方が多くいらっしゃると思います。しかしこの上半身の筋肉こそがかなり重要になるのです。
では短距離走とベンチプレスの関係性を細かく見ていきましょう。
学生時代の実体験を元に
実際に私は大学時代伸び悩んでいた頃に「何か他の人と違うことを集中してしてやってみよう。」と思い立ったことが始まりです。
大学3年の8月くらいに自宅にベンチプレスののセットを購入。その頃はおよそMAXが80kgくらいでした。ひたすらベンチプレスを繰り返していくうちに超回復などのことも覚え、どんどんMAXを更新していく楽しさが出て来たのです。
その年の年末には80kgだったMAXも130kgをあげられるようになっていました。以来ひたすらベンチプレスを取り組んでいるうちに春になり大学4年の最後のシーズンを迎えることになります。
この時他のみんなは冬季練習をしっかりと積んで今シーズンに望んでいましたが、私自身は冬季練習よりもウエイトトレーニングばかりして来たわけでとても走れるとは正直思っていませんでした。
実際に私は冬の間ベンチプレスと120mの流し走くらいしか行っていないようなものでした。しかし春先の試合に出場するため100mにエントリーしていざ走ってみると昨年よりも体がグイグイと進むようになっているのです。
結果は高校時代の自己ベストには届かなかったものの大学生活で最も速いタイムを春先1発目で出す事ができました。正直今までしっかりと冬季練習をして来たと言うわけではなかったのでびっくりしました。
これならばと思い、その後もひたすらベンチプレス続けていくうちに目標であった150kgを達成できました。私の専門種目は400mですが、同じ専門種目でベンチプレスを150kgの選手は他に聞いたことありませんでした。
そして6月の試合に100mにエントリーし、久しぶりのレースを迎えました。結果は高校時代の自己ベストを超えて10秒台の記録をマークする事ができたのです。ベンチプレスだけでここまで来れたかと言う達成感でした。
しかし翌日は400m選手としてマイルリレーが控えておりました。100mであれば正直ひたすらベンチプレスだけでも問題ないと思いましたが400mとなるとかなり心配になりました。
そしてその翌日、マイルリレーの予選と決勝を走ったのですが、予選はだいぶ余裕を持って走り、決勝に温存という形で終わる事ができました。
決勝はチーム全体で優勝を狙っており、私はアンカー。バトンをもらった時には3位で前との差は10m程で正直今の自分では400mを全力で走るのは厳しいと思っていましたがラスト100mで2人を交わして優勝。まさかここまで走れるとは思いませんでした。
その時のラップタイムは47秒台でこれもマイルリレーのラップタイムでベストを更新するという形でした。よく伸び悩んだ時には専門種目と違ったものを試してみるといいと言いますが、その点を追求した結果とてもいい形で終わる事ができたのです。
ではなぜそのような結果を出す事ができたのか個人的に分析してみました。
効果とメリット
例えば100mであればスタートの飛び出しの時に上半身が重く、腕振りの動作が素早く行えたら前傾姿勢を取っているので前へ進む推進力が増すのです。他には腕を大きく振ることができると自然とストライドも伸びて大きな走りをすることが可能となるのです。
このように走っているだけの人と比べると多くの利点が出てくると言うわけです。
さらに100mなどでは風に強く影響される種目です。
その際にかなり強い向かい風が吹いていたら選手もモチベーションが下がってしまうでしょう。
しかし強靱な上半身を仕上げて体重を重くすれば向かい風にとても強くなれるのでその点でも有利になれるでしょう。
ベンチプレスの使い方とメニュー
まずはベンチプレスを行う際に自分が今のどのくらいまで上げる事ができるのかMAXを測定してみましょう(MAXとは1回ギリギリ上げることのできる重さの最大値)そのMAXに対して75%〜80%くらいの重さに合わせると8〜10回程できる重さになるかと思います。
この際にしっかりと胸につけてから肘を伸ばして初めて1回になります。その動作を8〜10回ほど行うのですが、この時に限界まで追い込むために潰れるまで行うと効果が出やすいです。
本来なら10回できるのに8回でやめてしまったりすると追い込めていないのであまり効果が出ません。そして限界まで追い込んだらレスト時間を10〜12分ほど取ってまた同じように追い込む。ひたすらこれを繰り返していきます。
初めのうちは5セットもやると力が入らなくなってしまい6セット目には全然上がらないということになるかと思います。そんな時は重さを8〜10回ほどできる重さまで下げてみてください。その下げた重さで限界まで追い込むことで同じ効果が得られるはずです。
私は現役時代この追い込む動作を1回のトレーニングで18セットとかやっていました、、笑そこまでやらないにしろ、限界まで追い込むという事が大切になります!
そうするとおそらく次の日には筋肉痛が来てしばらく痛みが取れなくなると思いますが、痛みが取れ次第また同じことをして追い込む!
これをひたすら繰り返していくしかありません。
おすすめのベンチプレス
もし部屋やお金に余裕があればベンチプレスは1台購入してトレーニングしてみると実感がわきやすいかと思います。私自身もはじめは何となくやってみようかなくらいの気持ちでここまでこれたので買っておくといいおすすめのセットをご紹介させていただきます。
チャレンジャーセット (ハードベンチ+ダンベル、バーベルラバータイプ70kgセット)
こちらはベンチプレス台+70kgの重り(シャフト含)がセットになっているので1つ購入しておけば間違いありません。またダンベルもセットでついているので腕のトレーニングも可能です。
興味のある方は是非購入してみてはいかがでしょうか。
陸上競技とベンチプレスまとめ
説明させていただいたメニューや方法を繰り返していくと自然とMAXがみるみる伸びていきます。私も始めた当初にMAXだった80kgの重さも今となってはウォーミングアップの時に少し上げるくらいの重さにまでなってしまいました。笑
なのでやればやるほど伸びる種目だと思っていますので是非挑戦してみてはいかがでしょうか!少しでも参考にしていただければと思います。