スポーツや思わぬ事故でアキレス腱を断裂してしまった…。そんな経験を持たれている方や直近でそのような状況になってしまったという方へ向けた私自身の体験談になります。
まずは私がスポーツ生活を送る中で最大の怪我とも言えるアキレス腱断裂について実体験を元に何日でどれくらいの事ができるようになったのかをご紹介していこうと思います。
おそらくこの記事を見られている方は現在治療中の方が多いかと思いますので僕自身が治療中の時に知りたいなと感じた点をまとめて書いていければなと思います。
装具の使い方や歩き方、実際に装具がとれるまでの期間がどのくらいだったのかなどリハビリや筋力トレーニングも後にど紹介しておりますのでよろしければ参考にしてみてください。
アキレス腱断裂してしまった経緯
私はずっと陸上競技を行なっており、大学4年の最後の試合で110mハードルに出場。
初めはスムーズに行っていたものの最後のハードルを飛び越えて着地した瞬間に『ブチッ』と、やってしまいました。
すぐに病院に駆けつけたところアキレス腱断裂とのことでその時に『手術治療』または『保存治療法』どちらかを選ぶように言われた。
私自身は今大会で引退のつもりだったので手術をしてまで早く治す必要は無いと考えて『保存治療法』を選択。
ギプスが外れるまで6週間と言うことを告げられて松葉杖生活が始まったのです。
アキレス腱断裂から装具で歩けるまでの期間
続いては皆さんが一番気になる「アキレス腱断裂をしてしまってから歩けるようになるまでどのくらいかかるの?」という所について細かくご紹介させていただければと思います。
まずは裸足で歩くまでの期間の前にアキレス腱断裂してしまった際につける専用の装具を付けて歩けるまでの期間をお伝えしていきます。
1日目
その場ですぐにギプスを巻くことはできないらしく、その日は仮に包帯と添え木見たいなもので固定して帰宅。まともに歩けないと言う事が本当に辛くて何をするにも人の助けを必要とする形に。
3日目
ようやくギプスを巻けると言う事で病院に行き現在巻いてある包帯を恐る恐る取ったところ足首のあたりはひどい内出血。ギプスを巻く際にうつ伏せになったのだがその際に自分の足の重力でアキレス腱が伸ばされるだけで激痛が。
この先が思いやられるように感じながらギプスを装着。もともと巻いてあった包帯より随分頑丈になったので少し安心感も出て来ました。2週間ほどこのまま固定されての生活を過ごします。
しかし歩けるようになるまではまだまだ時間がかかりそうだなと実感させられました。
15日目(3週目)〜
松葉杖生活にも慣れたころ病院での診察がありました。
今回は今までつま先を最大限伸ばした状態で固定してあったものを若干角度を戻してまたギプスで固定すると言うもの。
前回はギプスを外してうつ伏せになった時に足の自重で激痛だったのだが2週間が経ち少しはくっついて来たのか全く痛くありませんでした。
ギプスを外すときに電動ノコギリのような物で切られたのがとても怖かったのを覚えています。
肌は全くきれないようなのですがやっぱり怖かったですね。そして前回よりは軽いギプスになり、少しは足が楽になりました。
29日目(5週目)〜
5週目に入りまた少し角度を変えるために病院へ。今までつけていたギプスをまた電動ノコギリのようなもので外し、角度を伸ばしてまた固定。ここまでは前回と同様なのですが、次回6週間が終わるとのことでそれ以降は専用の装具をつけて歩行に入ります。
その為に足の形を計測しました。その専用の装具というのが10万円くらいかかるんですよね。
保険が降りるので7割は帰って来ますが高い、、、
そんな感じで今回の診察は終了です。生活はいつも通り常に松葉杖生活は変わりないのでだんだん慣れて来ましたね。
アキレス腱断裂後に専用の装具を付けて歩けるようになるまでになりますが、ここまでで1か月半ほどかかりますのでそれまでは自分の足を全く使わず上半身で松葉杖を支えながら歩くことになります。歩き始めのころは筋肉がかなり衰えていますので翌日の筋肉痛などに注意しましょう。
アキレス腱断裂した際に装着する装具の期間
続いてはアキレス腱断裂後に使用する装具についてどのような使い方であったり、装着期間はどのくらい必要なのかを解説していこうと思います。私自身はアキレス腱を断裂した際に保存治療を選択し、怪我発生からおよそ6週間後にギプスから専用の装具に切り替わりました。
こちらの専用の装具なのですが、自分の足に合わせて制作するため以外と値段が高く10万円程度する場合もあります。ですが実際に使用する期間は2〜3ヶ月程度となるでしょう。
こちらの記事をご覧になられている方は現在ギプスを装着中で近々装具になる方や現在装具を装着中の方だと思いますので実経験に沿って話させていただきたいと思います。
では実際に装具に切り替わってからどのように変化したか項目ごとに説明させていただきます。
アキレス腱断裂でギプスから装具へ
アキレス腱断裂後約6週間でギプスが取れ、装具へと切り替わりました。この時すぐに歩こうとしたもののどうしてもうまく歩けずアキレス腱に痛みがきてしまい、結局松葉杖頼りになってしまいました。
しかし病院を出る頃には少しずつ慣れてきてかろうじて体重をかけることができたのを未だに覚えています。やはり最初からうまくいかず痛みや恐怖感が出てしまうのも無理ないので慎重にゆっくり丁寧に行動することが肝心だと感じました。
歩く時にはつま先を前に向けるのではなく右足なら右に90度、左足なら左足に90度向けて歩くとかなり楽に歩くことができるのでしばらくはこの歩き方をおすすめします。
装具のプレートを外して段差を低くする
こちらも装具をつけている期間は必ず意識する部分になると思います。ギプスが外れた直後はおそらく5枚くらい斜めに角度がついたプレートが装具に入っていたのを覚えています。
実際に装具をつけてみないと角度のついたプレートとは何の事かさっぱりわからないと思いますがほとんどの方が必ず装着される思いますのでご安心を。こちらのプレートも約1週間に1枚ずつくらい減らしていき、最終的には0枚で90度の所まで持っていきます。
実際に装具をつけて生活してみると1週間経たないうちに「もう1枚抜いてもいけるんじゃないか?」などと思うことが出てくると思いますが、こちらはしっかりと医師に言われた通り1週間単位で減らしていきましょう。
焦って早く減らしてもアキレス腱自体がまだくっついていなかったりするので再断裂の恐れが出てきてしまいます。装着から90度までがおよそ5週〜6週くらいだと思ってください。
装具を履いた生活をする上での注意点
ギプスも取れて100%松葉杖に頼っていた生活からガラッと変わり、今までの生活に近づきますが、まだ装具を到着している段階というのはギプスをつけている時よりも注意が必要な段階なのです。ギプスをつけている時は足にかかる負荷というのが0なので地面に足をついてしまったりする以外は再断裂の恐れはありません。
しかし装具の場合家の中などは装具を外して生活したり、自由に歩けるようになるのでつい以前の生活と同じ感覚で力を入れてしまって再断裂してしまうというケースが多くあります。なのであまり無理せず歩いて運動することは大切ですが十分細心の注意を図って行動するようにすることです。
アキレス腱断裂度の装具についてまとめ
アキレス腱断裂後ギプスが取れ、装具に切り替わった際の注意点などをお伝えさせていただきました。私自身もこの装具装着期間が最も再断裂の恐れがあると言われて恐る恐る生活していましたが皆さんも決して無理はしないでください。
アキレス腱断裂から裸足で歩けるまで
装具を付けて歩けるようになったら次は裸足で歩けるようになるまでの期間です。装具で歩けるようになるまでの期間よりも時間がかかるので辛抱が必要な期間ともなるでしょう。
7週目〜
アキレス腱断裂から1ヶ月半が経過し、ついにギプスから解放されました。装具ありでようやく歩けるようになる!と思っていたのですがいざつけて実際に歩こうとしてみると怖さや痛みでなかなか歩けず。
1ヶ月半も足を突かずに生活していたので全然歩けなかったのですが、30分も経てば意外と慣れて装具での歩行はできるようになりました。少しは生活が楽になりそうです!
これからは1週間に1回装具のかかとについている高さを調節するプレートをとり、5週間ほどかけて90度の状態に戻して行きます。
ですがやはりギプスがないとちょっとした事で再断裂してしまうのではないかという恐怖感が出てきます。はやく装具の生活に慣れたいですね。
9週目〜
この辺りから足の筋力を戻すためにトレーニング、リハビリを始めます。ゴムを使って負荷をかけてつま先を曲げたり伸ばしたりというのをずっとやっていたところかなり細くなっていたふくらはぎも少しずつですが戻ってきました。
あと大事なのはお風呂上がりのストレッチですね。今まで固定していたので足が全体的に固まってしまっています。お風呂上がりは体が温まり血行が良くなっているのでストレッチのゴールデンタイムと言えるでしょう。
11週目〜
ようやく装具も高さ調節のプレートがなくなり90度の状態に。しかしまだ普通の靴で生活するのは難しいかなという具合。家の中など捕まるところがあれば装具無しで生活して見ても良いでしょう。
14週目〜
この辺りになると普通の靴での外出も可能に。ただし無理は禁物なのでゆっくりウォーキングなどで足を慣らしながらリハビリしていくといいでしょう。この段階で「アキレス腱断裂から裸足で歩けるようになるまで」として言える期間になるのではないでしょうか。
約3か月~3か月半程度の期間を要するので焦る気持ちも分かりますが慎重に治療していきましょう。
5ヶ月目〜
この辺りからは徐々にランニングができるようになりました。しかし長い距離を一気に走るといたみがでてくるので様子を見ながら痛みが出てきたらストップしてください。そして運動後は必ずアイシングしてアキレス腱周りをしっかりと冷やしてあげてください。
アキレス腱断裂からのリハビリの方法
続いてアキレス腱断裂後に重要となるリハビリについて解説していこうと思います。リハビリといっても1つの項目を行うのではなく、治り具合などによってさまざまな種類かあります。
負荷をかけて行う筋力トレーニングなども今後日常生活に復帰するために必要なものばかりなので押さえておきましょう。
リハビリの方法と種類
簡単にリハビリと言ってもどのようなことをすれば良いのかわからないと言う方がほとんどだと思います。実際に陸上競技部に所属していた時にアキレス腱断裂を起こしてしまった私が取り組んできた方法をご紹介しようと思いますので是非参考にしていただければと思います。
足首に負荷をかけて伸縮運動
おそらくアキレス腱断裂後ギプスが取れ装具になったあたりから始められる最も初期段階のリハビリになります。こちらのやり方としてはダイエットコーナーなどに売られている負荷をかける平べったく長いゴムを使用します。
単純につま先にかけて足首を前後に動かすだけなのですが今までまったく使っていなかった足なので思っている以上に筋肉が落ちてしまっています。少し行っただけでも翌日にかなりの筋肉痛がくると思いますがリハビリの効果がしっかりと現れている証拠なので継続していきましょう。
ウォーキング
こちらは装具が取れ始めた段階から始めると良いでしょう。今までゴムで負荷をかけたリハビリをしっかりと行ってきたのであればそれほど大変ではないと思います。はじめはゆっくりのペースでいいのでなるべく歩く機会を作って見てください。
しかし人混みなどではいつなにが起こるかわからず、とっさに足に力が入ってしまうことがありますので極力人混みには行かない方が念のためです。
爪先立ちの上下運動
こちらは背伸びを繰り返す運動になります。
はじめは片足だとまだできないと思うので両足で行います。
少しずつアキレス腱段列を起こしてしまった方の足に負荷を大きくして最終的には片足でできるようにしていきましょう。
しかし無理に片足では耐えられないうちにやろうとすると必要以上に負荷がかかってしまいますのでできる範囲内の行動にしておきます。
段差を使った上下運動
こちらは先ほどの背伸びの運動と同じになるのですが、階段など段差を使って片足で上下運動を行います。段差を使ってかかとが常に浮いている状態になるので平面で行うよりも可動域が広くなります。今後の日常生活にも90度以上に足首を動かすことはあると思うのでとても重要なリハビリとなります。
ランニング
ここらへんから実用的なリハビリになります。はじめはランニングと言っても今までまったく走っていなかったためかなりの体力が落ちてしまっていたりするので短い距離から徐々に増やしてみましょう。
スピードもゆっくり行い、慣れるごとにペースを上げて行く感じで行います。この際に痛みが出てきたら中断してアイシングをしましょう。
痛みを我慢してまでランニングしてもかえって逆効果になってしまうことがあるので注意が必要です。
ダッシュ
こちらは一般の方は行わなくても良いかもしれません。しかし私の場合スポーツをやっていたのでダッシュも行なっていました。
今後スポーツをやられる方はこちらの項目も取り入れるといいでしょう。ダッシュに慣れてくるとアキレス腱の違和感というのがグッと少なくなるのでランニングでは物足りないと感じたら行なってみてください。
スポーツ復帰やダッシュ可能になるまで
私は陸上競技をやっていたので引退したものやはりまたいつか全力で走りたいという気持ちはどこかにありました。しかし1年ほど経っても全力でダッシュするのはどうしても怖く、またきれてしまうのではないかという心配から走ることができませんでした。
ですがランニングなどを繰り返していくうちに足も元のように走れるようになり、1年半ほどだった時には9割くらいの力で走ることは可能になりました。
今現在もうすぐ2年というところですが10割で走るにはアキレス腱意外の心配もありますがしっかりと練習を積んでいけばまた100%で走れると思います。
今回はアキレス腱が断裂について実体験を元に書かせていただきましたので現在治療中の方など少しでも参考になればと思います。
アキレス腱断裂の後遺症について
続いてはアキレス腱断裂を起こしてしまった際の後遺症についてお伝えさせていただければと思います。私自身の実体験ではあるので必ずしもその通りというわけではないと思いますが是非参考にしてみてください。
まず結果からいうと私は保存治療で治療を行いましたが後遺症という後遺症はほとんど見られませんでした。ただ若干気になる所としてはアキレス腱断裂から5年ほど経過した今現在でも左右でアキレス腱の太さが異なってくるという所です。実際にアキレス腱を両手で触ってみると断裂してしまった方が正常なアキレス腱よりもすこし太いままになってしまっているのです。
実際に日常生活なとには全く後遺症の影響はないので何も気にする必要はありません、がたまに触ったりすると太く感じるくらいです。
私は保存治療でしたが手術治療の場合は手術跡などは残ってしまうので見た目が気になるという方は保存治療をおすすめします。
アキレス腱断裂から復帰までのまとめ
今回はアキレス腱断裂した際の実体験や装具の経緯、リハビリやトレーニングなど様々なことをご紹介させていただきました。現在治療に励んでいるという方は相当大変な生活をお送りされていると思います。
私自身もアキレス腱断裂してしまってからの生活はとてもしんどくとにかく心が折れてしまったことを今でも覚えています。細心の注意を払って完治目指して頑張ってください!
またアキレス腱が断裂しまっている最中はなかなか激しい運動などはできない為体重が増加してしまったなどという人も多いのではないかと思います。
回復直後は少しずつリハビリも兼ねてできる範囲のウォーキングダイエットなどを行うと筋力も以前と同じくらいまでに戻りやすいので合わせて読んでみてはいかがでしょうか。
また今回は私自身の体験談をご紹介させていただきましたが日本整形外科学会にてアキレス腱断裂について述べている内容もございますので是非参考にしてみたらよいかと思われます。
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/achilles_tendon_rupture.html