陸上競技の短距離走を中心に行っている人であれば走り込みの練習はもちろんですが、意外と見落としがちな重要トレーニングである「体幹トレーニング」というトレーニング方法があるのはご存じでしょうか?今回はそんな体幹トレーニングについてやり方や効果についてご紹介させていただきます。
体幹トレーニングをしっかり行っておくと走っている時などの体のブレを軽減させ、重心がまっすぐ捉うようになります。この体幹トレーニングを取り入れてブレをなくすことによって速く走ることができたり、疲れにくい走り方をすることができるようになるため必然的にタイムの上昇が見込めるようになります。
では体幹トレーニングについて詳細を見ていきましょう。
体幹トレーニングの取り組み方と方法
陸上を始めたばかりの頃はあまり意識をしなくても自然とタイムが伸びて行くと思いますのである程度期間を重ねてから取り組むトレーニングでもあるかもしれません。なのでタイムが伸び悩んでしまったり、もっと効果的なトレーニングはないかと言った場合に体幹トレーニングを行うと自己ベストを出せたりと非常に効果的なトレーニングなので見落とさずに取り組むといいと思います!
まず陸上競技を行なっている人であれば知っておきたい体幹トレーニングの1つ、「スタビライゼーション」というものがあります。こちらのスタビライゼーションは一定時間同じ姿勢をキープするというものになります。いくつか種類があるようなのですが今回はその中でも主要となる3つをご紹介して行きたいと思います。
1つ目はうつ伏せの状態になり、肘で体を支えるような形をとります。この際に地面についている部分は足のつま先と肘から拳にかけての腕のみになります。そしてかかとから頭にかけて1本の棒のようにまっすぐな姿勢をとります。
2つ目は横向きになり、肘と足だけで全身を支える形になり、まっすぐ前を見てキープします。こちらを左右同じように行います。
3つ目は仰向けの形になり、肘とかかとだけで体を支える形をとります。できるだけお尻を高くあげてきつい姿勢を自ら取るのがポイントとなります。
以上の3項目ですが、ここで注意していただきたいのが、体幹トレーニングの基礎である一定時間キープするということ。少しでも腰を必要以上に浮かせたり膝を地面につけたりしては効果が減ってしまいます。
だんだんきつくなりますがまっすぐな体を一定時間キープするということで体幹がしっかりと鍛えられるのです。自分に負けないように最後までやりきることが大切です。
初めのうちは60秒間キープできれば十分でしょう。だんだん慣れて来たら10秒きざみずつくらいで伸ばして行きましょう。
このサイクルをキープする時間とレスト時間を同じ時間取り、2セットくらいから始めて行くと良いです。
(例:うつ伏せ60秒→休憩60秒→横向き右60秒→休憩60秒→横向き左60秒→仰向け60秒)
セット間は5分ほどとってもよいでしょう。
実際に体幹トレーニングを行う際は肘にかなり負担がかかってしまうので行う際にはタオルやマットなど敷いて肘へのダメージはなるべく無いように心がけましょう。
ちなみに自宅で行う際には下記のマットがとてもおすすめです!私自身も家の中で体幹トレーニングを行う事がありましたがこちらのマットを使っておりました。
厚さが10mmもあり地面にあたるひじが痛くなる心配もございませんのでもし家にマットがないという方は是非お試しください!
他の体幹トレーニングの種類と方法
体幹トレーニングにはこれといって正解の種目があるわけではありません。なので先ほどの3種目を参考にしながら自分なりに「ここで足を上げる姿勢をキープしてみよう。」や「この姿勢をキープしたらここの筋肉の疲労感がある」など考えて行なって見ると自己流の体幹トレーニングの方法がわかってくるのです。
実際に青山学院大学の駅伝部の体幹トレーニング方法が効果があると言われ、本を出版したと言うようなこともありますので是非チャレンジして見てください。
陸上短距離走における基礎から応用まで全般的に解説しているページもご用意させていただきましたので気になる方はこちらから参考にしてみてはいかがでしょうか。普段あまり行っていないようなトレーニング方法まで詳しく解説させていただいています。
種目ごとのトレーニング効果
体幹トレーニングは主に陸上競技全ての種目において必要とされています。その中でもいくつか重要な種目をピックアップして効果などをお伝えできればなと思います。
100m
100mではスタート直後からの飛び出しが勝敗を決めるといっても過言では無いくらい。
うまくスタートを切れたもののその直後にバランスを崩してよろけてしまったりということは日本のトップ選手でもある事です。
このような時にも体幹がしっかりしていると体のブレがなくなりますのでまっすぐ進めるようになります。
400m
400mではラスト100mでどんな選手体が剃って顎が上がってしまいます。そこをいかに姿勢のいいと走りをできるかというのが後半の伸びに影響してくる点となります。
体幹がしっかりとついていればラスト100mの走りがバラバラにならずまっすぐなフォームで走ることができるので短距離の中では体幹が1番重要といえる種目になるかもしれません。
長距離種目
3000m以上の種目では疲れてくるとフォームがバラバラになってしまうことが多いです。強豪校の駅伝部などはよく体幹トレーニングを取り入れていたりするので長距離選手にとって走ることと同じくらい大事な練習になるかもしれません。
バラバラなフォームで走りきるのと綺麗なフォームなまま走りきるのではタイムにもかなり差が出て来ますので重要視したい点であります。
110mh
この種目が陸上競技の中で最も体幹が必要な種目では無いかと思われます。なぜならば106cmもあるハードルを飛び越えた後にいかによろけず普段の走りのままのフォームを保つことをできるかが鍵となります。
そのハードルを10台とんでも全くぶれない体幹を持っていれば後半他の選手を引き離すことができるでしょう。110mhを取り組んでいる選手は是非体幹をしっかりと鍛えて試合に臨んで見てください。
きっと目標にしているタイムや標準記録など突破できるはずです!
体幹トレーニングでよくある質問
では続いて体幹トレーニングに対して購読者から寄せられるご質問を紹介させていただきます。
Q.体幹トレーニングは中学生から取り組んでもいいのでしょうか?
A.体幹トレーニングはどんどん取り組んで下さい!
ウエイトトレーニングは筋肉の成長段階でやるのはあまり良く無いですが体幹トレーニングは体のブレをなくす大事なトレーニングになり、テレビを見ながらなど手軽にできるものも多いのでいろいろな方法を試して見て下さい。
また、ウエイトトレーニングも取り入れてみたいという方はこちらを参考にしてみてください。
合わせてチェックしておきたい項目
体幹トレーニングの記事をお読みいただいた方に参考になりそうな記事をこちらでまとめてみましたので是非気になるものがあるという方は参考にしてみてください!
・「陸上競技【ストレッチ】絶対に知っておきたい柔軟性をあげる方法」
体幹トレーニングにストレッチはつきものです。
体の柔軟性を向上させてより良い体を仕上げていきましょう!
・陸上競技【スタート】のコツや練習・姿勢などを分かりやすく解説」
そして短距離選手には欠かせないスタートのトレーニング。
体幹がぶれてしまってはいいスタートが決められないのでこちらも押さえておきたいポイントです。
最後にフォームを安定させしっかりとした腕ふりを実現させることでレース中のブレをなくしてトップスピードを保つことができるでしょう。
陸上短距離選手の体幹トレーニングまとめ
今回は体幹トレーニングの方法や効果についてご説明させていただきました。体幹トレーニングは体のブレをなくす大事なトレーニングなのできついとは思いますが後々役に立つので頑張ってみてください!少しでもお役に立てればと思いますので是非参考にしてみてください。