今回は400m走についての走り方と練習方法についてご紹介させていただこうと思います。400m走は無酸素運動の限界と呼ばれており、人間は40秒間しか無酸素で体を動かすことができません。しかし400mは世界記録でも43秒と無酸素運動の限界と呼ばれる40秒を上回形の記録となっています。
なので400mとは短距離種目でありながら限界を超えたパフォーマンスをしなければならないため、陸上競技で最も過酷と呼ばれているのがこの400m走という競技なのです。
そんな400mですが、100mや200mに比べてペース配分を意識したり、走り方を工夫しなければならないので同じ短距離走ですがうまくコツを掴んで自分なりの走り方を身につけておかないと大会などで勝ち上がっていくのは多少難しいかもしれません。
今回は陸上競技の中で最も過酷ともいわれている400m走について様々な観点から「レース展開・走り方・有効なサプリメント」などに分類を分けて紹介していきたいと思いますので是非400mのタイムを伸ばしたいと思っている方は参考にしてみてくださいね!
では400m走について詳しい内容を見ていきましょう。
400mの走り方とレース展開
まず400mの走り方という所に観点を持ってくると下記の3項目に分けられるかと思います。
② 常にイーブンペースで最初も無理をせず後半もタイムを落とさずに走る
③ 前半は押さえて後半で一気に加速してまくり上げる走り方
それではこの3つの400mの走り方を順番に見ていきましょう。
① 400mの走り方:最初から極力飛ばして後半は粘って逃げ切る
まずこちらの走り方ですが、最初から全力で突っ込んだ形で入ってしまうと300mを超えたあたりから急激に足が止まってしまう事が考えられるかと思います。
しかし400m選手の中には前半型の選手も多く、スピードのある選手は最初から飛ばして他の選手を置いて行くように加速、そして後半粘るタイプの走りをします。
なかなかこの走りは陸上初心者や400mを始めたばかりの人にとっては勇気のいる走り方だと思います。まずは400mという距離に慣れるという意味も含め走り方の練習と何度かレースを経験することが大事です。
② 400mの走り方: 常に同じペースをキープする走り方
続いては常にイーブンペースで最初も無理をせず後半もタイムを落とさずに走るという走り方ですが、常に一定のペースを保つように走ることでタイムとしての安定感は出てくるでしょう。
しかしレースのポイントや勝負の仕掛け時などがうまくつかみずらい走り方でもあるので、ある程度慣れてきたら走り方を変えて他の選手と競り合いになったときにも対応できるようにするといいでしょう。
また、自分自身で常に同じペースで400mを走っているつもりでも前半と後半では必ず最初の200mの方がタイムは速くなると思いますので無理に合わせなくても大丈夫です。
③ 400mの走り方:前半は押さえて後半で一気に加速する走り方
最後に前半は押さえて後半で一気にスピードを上げてまくり上げる走り方ですが、こちらの走り方は400mを始めたばかりの人やまだ自信のない人がよく行う走り方です。
しかし自分の中でうまくこの走り方を活かすことができれば十分400m走という戦いでも使える走り方とも言えます。
予選などで着順を狙う時にはこのような走り方で確実に次のラウンドへ進めるよう周りを見ながら走るなどという時も有効的です。
400mのレース展開についての総括
個人的な実体験ではありますが、タイムを狙うのであれば前半から勢いよく飛ばして後半粘る走り方。勝ちにこだわるのであれば周りの選手を見ながら後半追い上げる走り方。このようなところでしょうか。
400mの1つの目標と呼ばれているのが50″00を切って49秒台に入るという人も多いかと思います。
しっかりと走り方をマスターさえすれば適度な練習で400mで49秒台を出すことはそこまで難しいことではありません。
そのためにはやはり100mのスピードも必要となって来ますので短い距離の練習も多く取り入れると良いでしょう。
実際に過去に400mで日本選手権11連覇を達成した金丸雄三選手も高校生の時に国体へ100mで出場し、10″32という記録を出して優勝しているので400mの練習に集中しすぎないということも大切なのかもしれませんね。
400m走に有効な練習方法やトレーニングメニューとは?
今回は陸上競技で最も過酷と言われている400m走をマスターするためにはどのような練習やトレーニングのメニューを行っていけばいいのかという点についていくつか練習方法などを述べさせていただければと思います。
ただ単純に400mの練習やトレーニングと言っても主には短距離選手の練習と大きくは変わりませんが少し長めの距離を走ることによってラスト100mでスピードダウンしなくなったり粘ることができるようになるため細かい部分を意識してみてください!
400mの練習メニュー例
まず初めに400mで好タイムを出すためにはどのような練習メニューが効果的なのかという所を見ていきましょう。
シーズン中の400m練習メニュー例
・(200m+200m)×3set レスト12分 間200mウォーク
・(300m+100m)3set レスト15分 300mゴール後1分以内に100mスタート
上記のメニューはシーズン中の一例です。
量よりも質にこだわっているメニューなのでレスト時間も長めにとって本数も少なめにしてあります。なので1セット終わるごとに自分の限界まで力を使いきれていなければあまり効果のない練習メニューとなってしまいますのでご注意ください。
300mの練習の意味やどこをポイントに走るかなどを詳しくご説明させていただいておりますのでぜひご覧ください。
オフシーズン(冬季練習)中の400mトレーニング
・500m×5set レスト10分
・(300m+300m)×4set レスト15分 set間100mウォーク
次にオフシーズンの400m選手の練習方法について一例を挙げさせていただきました。
冬季練習だとシーズン中になかったように500mなど長い距離を入れることもオススメです。
長い距離を入れる事によって後半の失速を抑えられたり、400mという距離に対しての怖さがなくなるので週に1度は長めの距離を走る練習を取り入れると良いでしょう。
400mの走り方を含めて短距離走全般の冬季練習方法を記載していますのでぜひ参考にしてみてください。
400mに伸び悩んでしまった時の練習方
なかなかタイムが思うように伸びず、行き詰まってしまったという経験をした方も多いかと思います。
このような時には400mであれば一定期間【100m】や【200m】の練習だけ行って見たりすると直ぐに成果は現れませんが徐々に乗り悩みが解消される事があります。
400m走の練習でここだけは抑えておきたいポイント
400mの練習メニューついて自らの経験を元に解説してきましたが私自身高校時代に国体やジュニアユース選手権などに出場した際他の短距離種目における全国トップの選手の走り方を見るとやはりとても整っているなと感じました。
ではどのようなトレーニングを積んだらいいのかをまとめさせていただきましたのでこちらを参考にしてみてください。
① 400mの練習法:ウエイトトレーニング
ウエイトトレーニングで普段鍛えない部分のトレーニングを行うことによって体を大きくして安定した走りにすることがポイントです。基礎的な筋力を付けることによって400mに耐えられる筋力というものを仕上げていきましょう。
② 400mの練習法:ストレッチ
体が硬いと感じる人にはストレッチを行うことによって体の柔軟性をあげ、スムーズに加速できるようにすることも大切です。400mは大きな走りというのがカギになるので練習前などにストレッチも取り入れると良いでしょう。
③ 400mの練習法:冬季練習
つい練習といえばシーズン中の走りメニューばかり考えてしまいがちですが冬季練習もとても大切で冬は基礎的な体を作り直す絶好のチャンスです。400mは体作りがとても大切なので冬季練習をしっかりと行い春先に爆発的なタイムを出せるようにしましょう。
④ 400mの練習法:体幹トレーニング
400mのラスト100mはいつも体幹がぶれて走りがバラバラになってしまうという事はありませんか?そんな時に重要なのが体幹トレーニングで、体のブレを無くして安定したフォーム作りを実現することが可能となります。
⑤ 400mの練習法:筋トレ
ウエイトトレーニングと近いのですが筋トレも重要なポイントとなります。400mを全力で走り終えた翌日など筋肉痛になるという経験をされたことがある方はほとんどだと思いますので細かい部分のトレーニングというものもしっかりと行っていきましょう。
以上の5つのポイントをしっかりと抑えることができれば必ずタイムは伸びて上位の大会へ出場したり入賞という所まで手が届くようになるでしょう。
そして最後に目を通してもらいたいのがこちらのウォーミングアップの方法。大会で400mを走る前にはどのようなウォーミングアップをするのが最も望ましいかなどをご紹介していますのでぜひ目を通してみてください。
400mの練習やトレーニングに関してのまとめ
400m走に関しての練習方法やトレーニングについてご紹介させていただきましたが実際に試合前や練習前に行ってみて最も効果があったと思うものを何項目かとり上げていますので試合前のみならず普段の練習の際にも活用してみていただけたらと思います。
日々地道に取り組むことで必ず効果が出てきますのでぜひ参考にしてみてください。
自分の400mのタイムはどのレベル?
400mに関して走り方やサプリメントなどを述べてきましたが実際にどのくらいのタイムを出せばどのくらいの大会に出場できるのかなど自分がいまどのくらいの位置にいるのかということがわかるかと思います。400mでタイムごとのレベルを見ていきましょう。
400m:53秒台
まずは通過点。伸び盛りのタイム帯です。高校生であれば400mを専門的にを始めた当初でこのくらいのタイムを出せれば伸びる要素は十分にあるかと思います。
中学生であれば県大会などではそこそこの位置となり、予選敗退ということはあまりなくなるかもしれませんね。
400m:52秒台
400mという競技を専門的に行っていて1番人口の多いのがこの52秒台前後ではないでしょうか。
一般の人から見れば十分速いと思われますが陸上競技をやっている以上このタイムであればまだまだ伸びる要素はありますので52秒台で行き詰ってしまったという人は練習方法を変えてみたりして自己ベスト更新を目指してみましょう。
400m:51秒台
中学生であれば全国大会に出場できるレベルになります。
51秒台の選手も人口は多くみられますが高校生、社会人でもなかなかたどり着くことができないという方もいますので400mという競技をさらに極めて50秒台、49秒台と上を狙っていけるはずです!
400m:50秒台
始めたばかりでここまでの記録を出すことができれば400mのは才能としてはあるのではないでしょうか。
しっかりと走り方やペース配分なども自分の中で考えることができてコツをつかんだことによってこのタイムで走れているということは間違いないでしょう。
400m:49秒台
400mで50秒の壁を切るというところを達成した数少ないスプリンターの仲間入りです。49秒台まで来てしまえば全国的に見て上位のランクに入るはずです。
しかし本格的な体育系で陸上競技に専念しているという人の中ではまだまだ埋もれてしまいます。
400m:48秒台
高校生であれば全国大会へ出場可能なレベルとも言えます。
近年は400mのレベルがとてもレベルが高く48秒台の記録を出してもインターハイへ出場できない地区などが多くてきている模様です。
しかしここまでくればしっかりと400mという競技に慣れて走り方などはマスターしていることでしょう。
400m:47秒台
400mで47秒台という記録を出せる選手はほんの一握りとも言えるでしょう。
インターハイの決勝やインカレでも戦えるレベルですのでここまで来れた人たちは他の種目をやらせてみても全て好タイムを出してしまうかもしれませんね。
400m:46秒台
400mで日本選手権出場レベルの実力者しか出すことができない領域です。
将来的に指導者や実業団の選手としても活躍できるようなスペシャリストといっても過言ではありません。
400m:45秒台
400mで45秒台を安定して出せる選手は日本代表などのレベルになってきます。
ここまでくるとオリンピックや国際大会でどう戦うかなど専属のコーチがつくくらいのレベルと言えるでしょう。
400m走について初心者や中学生、高校生から多くある質問
400mを始めたばかりやまだ走り方やコツをうまくつかめないという方から寄せられた質問に対していくつかご回答させていただければと思います。400mで同じような疑問点をお持ちの方は是非参考にしてみてください。
Q.400mのスパイクは100mの物と同じで良いでしょうか?
A.こちらはピンの長さによります。
8mmピンを使っているのであれば問題ありませんが、9mmピンの場合ですと地面からの反発をとても貰うため確かに足は進みやすくなりますが後半の100mがしんどくなってしまいます。
筋力に自信があり、1本タイムレースなどで力を使い切っても大丈夫な場合は9mmピンでも良いかもしれません。
予選や準決勝で9mmピンのスパイクを履いてしまうと決勝などで後半足がバテてしまうことがありますのであまりお勧め致しません。
ピンの長さや効果についてはこちらをご覧いただければと思います。
Q.前半はスムーズに行けるのですがラスト100mでどうしても置いてかれてしまいます。
A.こちらは後半の練習をより一層鍛える事に集中する事で解決できるかもしれません。
たとえば500mなどの長い距離を今まで行っていないようであれば取り入れてみるなど距離に対しての不安感をなくす練習を行ってみてください。
そして400mの選手に必要なのが耐乳酸能力になります。
耐乳酸トレーニングをしっかりと行うことでラスト100mをスピード落とさず走れるようになります。
フォームを崩さずできるだけ足を上げて前へ進めるようにするには取り入れておきたい練習方法です。
Q.400mを走り終わった後お尻が痛くなりまともに歩けなくなってしまいますが解消法はありますか?
A.こちらは400mを全力で走るとほとんどの選手に起こる現象です。
ケツワレと呼ばれており、無酸素運動の限界を超えて走り続ける事によって乳酸という物質が溜まりこのケツワレが起こります。
こちらの解消法ですが、すぐに倒れ込まず歩いた方が乳酸を分解しやすくなりケツワレが早く治ります。
ひどい時には酸欠になりしばらく頭痛を起こすこともあります。
トップ選手になると400mの試合に慣れてケツワレが起こりにくくなるのでたくさん走って慣れましょう。
耐乳酸についての記事をまとめておきましたのでぜひ参考にしてみてください!
400m走はストライド走法で走るのがベスト
400m走を実際に走るとなるとイメージしやすいと思うのですが、広い歩幅のストライド走法のほうが断然に有利です!どうしても距離が長いので歩数が多くなってしまうとその分足への負荷が高まってしまいます。
極力体に力を入れずに大きな走りをすることがベストにつながるので歩幅がいつも狭くなってしまうという方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
400mにおすすめなサプリメント
続いて私自身も愛用していたサプリメントをご紹介させていただきます。まずは400mで最も鬼門となるのがラスト「100mで足が動かなくなってしまってなかなか前に進まない!」という経験はだれしもが経験しているはずです。
そんな魔のラスト100mをスムーズな足運びで走れる優れもののサプリメントが存在します。それがクレアチンというサプリメントになります。
このクレアチンは普段から飲み続けていると体が慣れてしまい、大事な試合の時に効果が薄れてしまう可能性もあるので肝心な大会に合わせて摂取していく形のサプリメントとなります。
400m選手にとって必需品ともいえるサプリメントなので合わせている試合がある場合がぜひ飲んでみるといいでしょう。
おすすめなのは下記のDNSのクレアチンで私も現役時代は大事な大会のたびに使用しておりました!
詳しくまとめた記事もございますのでぜひご参照ください。
クレアチンのおかげも十分あると思いますが元々400mのタイムが52秒台でしたがクレアチンの効果もあり3か月で48秒台のタイムにまで伸びた話などもまとめさせていただいています。
余談にはなりますが興味のある方は是非覗いてみてください。
そしてこちらは日々摂取していた愛用のプロテインとなります。私自身は練習後にプロテインを必ず摂取していましたが毎回飲んでいたのが「ザバス(SAVAS) プロテイン タイプ2スピード」というプロテインです。
400mにぴったしのプロテインでパッケージにもパワー持久系のアスリート向けのプロテインと記載してあります。
「400mをやっているけどどのプロテインを飲んだらいいか迷っている」という方はまずこちらのプロテインから摂取してみるとかなり効果が出てくると思われます。
400mの走り方&練習についてのまとめ
以上400mの走り方や練習方法、ペース配分について述べさせていただきましたがいかがだったでしょうか。
陸上短距離走における基礎から応用まで全般的に解説しているページもご用意させていただきましたので気になる方はこちらから参考にしてみてはいかがでしょうか。普段あまり行っていないようなトレーニング方法まで詳しく解説させていただいています。